雑学界の権威・平林純の考える科学

 お風呂に水を入れる時には、(入浴の際に)浴槽から湯がこぼれてしまうことがないように、少なめに水を入れます。 しかし、「(どれくらい)少なめに水(湯)を入れるか」は、あまり意識していないのではないでしょうか?

 浴槽に入ったお湯に体を浸けていくと、(頭の大きさを無視するといった大雑把に考えるなら)「体の体積に相当する高さ分だけ、湯面が上昇」します。 体の密度は(これまた大雑把に言えば)だいたい水と同じくらいということを考えれば、これは「体重に相当する(水の量の)高さ分だけ、湯面が上昇する」と言い換えることもできます。

 単純な計算をすると、「体重(kg)÷浴槽面積(m^2)÷10」という公式で求められる結果数値が、「あなたがお風呂に入った時の湯面上昇高さ(cm)」を表していることがわかります。 たとえば「70cm × 80cm」の大きさの浴槽の場合、体重60kgの人であれば、60÷(0.7 × 0.8)÷10 ≒11cm だけ、お風呂の湯につかった時に湯面が上になります。

 あるいは、もしも体重150kgだというマツコ・デラックスさんが、その「70cm × 80cm」の浴槽面積のお風呂に入るなら、マツコさんがお湯に体を入れた瞬間に、150 ÷(0.7 × 0.8)÷10 ≒ 27 cmだけ湯面が上昇する、というわけです。

 こんな風に、浴槽面積を知っておけば、自分が浴槽に入ったときにどれだけ湯面が上がるかわかるわけですから、「ちょうど良い量」の水(湯)を浴槽に入れることができ、水やガス代をムダにすることなく、お得でエコな節約ができます。

 そしてまた、
 体重(kg)÷浴槽面積(m^2)÷10 ≒ 湯面上昇高さ(cm)
という公式を変形すれば、
 体重(kg) ≒10×浴槽面積(m^2)×湯面上昇高さ(cm)
という公式にもなりますから、「湯面上昇を眺めれば、あなたの体重がわかってしまう!」ということにもなります。浴槽に毎日の湯面を記録すれば…体重推移がわかってしまったりもするわけです。

「体重(kg)÷浴槽面積(m^2)÷10=湯面高差(cm)」というエコでお得な節約公式を覚えれば、お財布の中身は膨らんでいき、さらに(体重を意識することで)膨らみがちのお腹の肉は引き締まり痩せていくかも…しれません。