“中2病”という言葉で呼ばれる妄想爆発の中学2年生、そんな多感な彼らの「突拍子のない妄想」を実現させるための実験サポートをしてみました(ヨルスパ!妄想ガキレオ!〜中2の方程式〜)。 サポートした妄想内容はズバリ、
「走った風でスカートめくりできるか?」
です。まさに、中2男子が10人いたら10人全員が頭に思い浮かべたことがあるはずの「妄想」です(参考: 中学2年生の妄想を実験!野爆・川島「童貞に戻った気分」)。
軽い材質のスカートなら、秒速7〜8メートルの風が吹けば、計算上はめくれあがります(「風でめくれるスカート」の科学!「涼しく晴れた朝の地下鉄駅をドジっ娘が走る」とスカートは必ずめくれる!?の法則)。つまり、100メートルを十秒台前半で走るくらいの俊足スプリンターくらいの速さの風を起こすことができれば、スカートをめくることができるわけです。 …しかし、たとえ妄想中2男子が俊足スプリンターだったとしても、スカートをめくり上げるような速度・向きの風を起こすことができるものでしょうか? そして、スカートをはいた女子の周りを「どのように走り抜ければスカートをめくる風を生み出すことができる」のでしょうか?
よくある予想は「力一杯走れば、前方に(前に向かって吹く)風が生まれるはずだから、女子の足下近くを上方に向かって吹き上げるような方向に走り込む」という考え方です。(わたしのリサーチによれば)100人中100人近くが「これが正解じないか?」と予想する考え方なのですが、しかし、実はこの予想は全くの大間違いです(走り方としてもかなり無茶苦茶に不自然な走り方です)。 まずは、走る人の周りにできる空気の流れ、流体シミュレーションで計算してみた結果を眺めてみましょう。
流体シミュレーション結果を眺めれば、「おぉ!?走るスプリンターの前には、ほとんど風なんか吹いていないぞ!?」と驚きの声をあげるはずです。そう、走り込む人の前面では圧力が高まりつつも・実はスカートをめくりあげるような風はほとんど吹かないのです。なぜかというと、人が力一杯走っても、体前面の空気はただ周りへ逃げるだけで、スカートを前(や上)に押すような空気流は生み出されないのです。…しかし、その一方、力一杯に走る中2スプリンターの背後を眺めてみると、スプリンターの背中あたりに空気が渦巻き・場所によってはスカートを上にめくれあがらせるような上向きの空気渦が生み出されていることがわかります。
意外なことに、そして何より面白いことに、「スカートをめくることができる条件の風が吹くのは、走る人の前面ではない」のです。実は、走り方(位置やタイミング)をちゃんと考えて・実行すれば、自分の背後に「(スカートをめくることが可能な程度の強さの)上向きの風を吹かせることができるのです。たとえば、スカートをめくりあげたいのであれば、そのスカートの高さが自分の背中の高さと同じくらいになるように(走るポーズを)考えつつ、力一杯走り込めば、スカートをフワリと空に浮かべあげることができるわけです。…もちろん、走り方を自分たちにできる範囲の工夫をすれば、たとえば仲間の力を合わせて横に並んで走ってみたり・あるいは縦に並んでタイミング良く走ってみたりすれば、その威力はさらに2倍・3倍と倍増します(下の画像は、そういった仲間パワーを中2病的に妄想炸裂させたシチュエーションプレイな”スカートめくり”流体シミュレーションを行った計算例です)。もちろん、これはあくまで計算上の話で、本当に中2の妄想男子たちが、自らが走り生み出した風でスカートをめくりあげることができるのか?は…これまた別の実装上の問題です(その答えは1月4日(日) 深夜1:50~2:45明らかに?)。
…というわけで、「走った風でスカートめくりできるか?」を力一杯追い求めれば…意外なものが見えてきます。それは、たとえば、力一杯走ってみれば(原理状は)走った風でスカートめくりができる。けれど、それは走る自分の前面ではなく、自分が見ることができない(自分の)背後だ!ということがわかったりします。たとえ、始まりは単なる妄想だったとしても、それを真剣に願い努力を続けたら、いつか「走った風でスカートをめくることだってできる」というのは感動的なことのように思えます。そして、スカートをめくることもできるけど、そのさまを自分自身では(自分の背後のできごとだから)見ることができない…というのも、何だかちょっと普遍的に当てはまりそうな事実のように思えたりします。「走った風でスカートめくりできるか?」を力一杯追い求めれば…意外なものが見えてきます。