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 東京都立高校の入試では、中3時の成績が内申点として使われて、入学合否は入試と内申点を組み合わせて決められます。 入試と内申点の考慮される割合は、(高校によっても違いがありますが)およそ半分程度なので、中3時の成績は高校入試を大きく左右することになります。

 昨年2013年末時点の都内公立中学校の評価(評定状況)が公開されていたので、東京都立中学564校の評価結果を、科目ごとの評価(1〜5)までの割合として図示してみた結果が下に貼り付けたグラフです。ちなみに、都内公立中学校の評価は生徒間の相対評価ではなくて、学習指導要領の目標に準拠した絶対評価です。

 まず大雑把に眺めてみると、教科間の違いに気づきます。音楽・美術・保険体躯・技術家庭といった実技を含む教科は、(評価が低い)1や2が少なく、3の割合が非常に高くなっています。ほぼ半分以上の生徒の評価が3になっています。その一方、英語などは、1〜5まで比較的広い分布になっていて、学力の差がついているような結果です。

 もうひとつ、興味深いのが学校・教科も区別した際の違いです。 最も多い評価が3であるケースも多い中で、最も多い評価が4となるような分布のケースも頻繁に見られます。 ただし、全教科の学校平均をとると、そのような評価の偏りはかなり少なくなるので、この違いは「学校(もしくは学校に所属する生徒)」に依存するのではなくて、「その学校のある特定教科」にだけ見られる特性のようです。 その学校に通う中学生たちが偶然「ある特定教科だけ」能力が高かったということは考えづらいですから、 これは「先生」によって決まるものなのかもしれません。 つまり、「ある教科を教える先生の教える能力が高くて、中学生たちの実力が高まった」とか、あるいは単に「先生の評価基準が少し異なっている」というような可能性です。 もっとも、ひとつの学校のひとつの教科を1人の先生が全て教えるというわけではないでしょうから、評価「先生個人の基準」に左右されるというよりは、「その学校の特定教科の先生たちの基準や能力」に左右されるのかもしれません。

 ちなみに、大きく分けると「評価の最頻値が3というケース」と「評価の最頻値が4というケース」という2種が多いようですが、(驚くことに)「評価の最頻値が2のケース」も見受けられます。 学習目標に対して最も多い達成度が「2」というのは、あまり望ましくない状態にも思えますが、そういう現状が(現在の都立公立中学では)ある程度存在せざるをえないのでしょうか。

 いずれにせよ、東京都立高校の入試合否を決める内申書評価は、先生個人…かはわかりませんが、生徒自身とは違う因子によって影響を受けていると考えるのが自然に思えます。…といったことを、桜季節も入学試験の季節も終わった今頃に、 昨年2013年末時点の都内公立中学校の評価(評定状況)を見ながら考えたのです。