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 学校のテストやあるいはクイズで、「各都道府県の県庁所在地」を答える問題がよくあります。 たとえば、京都府は京都市、長野県は長野市、鹿児島県は鹿児島市…それでは、茨城県は?という問わわれ、茨城県は水戸で(茨木市は大阪にあります!)と答えるような問題です。栃木県は宇都宮、群馬県は前橋というあたりも。ちなみに、埼玉県は、私の頃は浦和市だったのですが、今は合併して、さいたま市という、県名とほぼ同じになってしまっています。

 この県庁所在地を答える問題では、「東京都は東京」という答えが一般的でした(参考:県庁所在地一覧)。…しかし、よく考えてみれば、東京都庁は新宿駅の西、つまり新宿区に位置しているはずです。なぜ、「東京都は東京」と言われているのでしょうか?

 東京都庁のウェブサイトに「東京都庁の所在地」という解説頁があり、そこには都庁の所在地について、

  1. 東京都庁の位置を定める条例により、東京都新宿区西新宿二丁目と定めている。
  2. 東京の県庁所在地は東京という認識は、(学校等で使う) 国土地理院50万分の1の地図で、県庁所在地を示す◎マークが「東京」に付けられているからだと考えられる

と書いてあります。

 なるほど、東京都庁の位置を定める条例(条例第71号)を眺めてみると、

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第四条第一項の規定に基づき、東京都庁の位置を次のとおり定める。
東京都新宿区西新宿二丁目
附 則
この条例は、東京都規則で定める日から施行する。
(平成二年規則第二一六号で平成三年四月一日から施行)

確かに東京都庁は「新宿区西新宿二丁目」とあります(もちろん、日本が世界に誇る新宿二丁目」ではなく、”西”新宿二丁目です)。

 そして、国土地理院50万分の1の地図中で、県庁所在地を示す◎マークが「東京」に付けられている理由は、「東京の23区は市町村ではないので名称を記載していないが、便宜上東京23区の総称として東京という表示をしたのではないか」「現在の23区の存する区域は、昭和18年まで東京市だった*ため、その名残りではないか」というのです。

 なるほど、「市町村」に準ずる(けれど行政が行う業務範囲が市町村よりは小さく市町村とは言えない)新宿区は、東京23区として元々は東京市だった、と言われると、「東京都の県庁所在地は東京」という答えも納得できます。

 東京都の県庁所在地が新宿でなく”東京”と言われることも、その理由を聞くと、過去の歴史を感じて楽しく・面白く感じます。…今回は「(都庁の位置に関する)不思議なこと」の「理由」を追いかけ・納得したい!という話でした。

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*第二次世界大戦中、国家の統制強化のために、内務省が(内務省案に反対する)東京市・東京府を廃止し、東京都となりました。