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 日本では、さまざまなものを作るときの「規格」に関する「決まり」があります。 JIS(日本工業規格)と呼ばれるその「規格」には、さまざまなものが満たすべき「決まり」が書かれています。 たとえば、JIS Z 9120~JIS Z 9124といった規格では、野球場・サッカー場・テニス場…といったスポーツ施設に「照明(灯り)の設置方法」についての決まりが定められています。それらJIS規格は、競技場のさまざまな場所の明るさや、照明の向き・光をあてる角度・照明器具の配置などを、こと細かに決めているのです。

 ためしに、「この明るさ(照度)にしなさい」という決まりを、競技場の(一番明るい場所を)明るい順番にトップ5を並べてみると、つまり「明るさ選手権」を開催してみると、こんな具合になります。 ちなみに、プロ野球など向けには、内野や外野…など場所によって「明るさの決まり」は違っています。 (たとえば、プロ野球の外野は”内野よりかなり暗い”1200ルクスと決められています)

  1. 相撲・ボクシング・レスリング(職業試合):3000ルクス
  2. プロ野球(内野):2000ルクス
  3. バレーボール(Vリーグ):1500〜1600ルクス
  4. アマチュアボクシング:1500〜1600ルクス
  5. スケート(公式競技):1500ルクス
 意外に、競技毎に定められた明るさが違っていることに気づかされます。 そして、たとえば素早く至近距離で闘う格闘技に「明るさ」が必要なことなど、何だか「なるほど、確かにそうだよね」と思えるようになるのも、また事実です。

 こうした「明るさ」は、競技をするために必要な明るさや、その競技を見やすく眺めるために必要な照明配置などによるものです(たとえば、この競技場の明るさの決まりには、テレビ撮影をする時の明るさの決まりなどもあるのです)。 たとえば、競技の速さや特性…そういったものによって競技場の各場所の「明るさ」が決められています。

 私たちの身の回りにあるさまざまなものには、やはりさまざまな「決まり」が作られていて、それらの決まりにもとづいて、多くのものが作られています。 それらの「決まり」は、何かしらの「理由」にもとづいて作られているわけですから、「決まり」の秘密を探っていくと「なるほどな」と思う理由が見えてきます。

 JIS規格の「明るさの決まり」では、相撲・ボクシング・レスリングといった格闘技の「舞台」がダントツ明るい、のです。 格闘技の舞台が、JIS(日本工業規格)で定められた「決まり」として、何より一番明るく照明に照らされた「世界」だったのです。