雑学界の権威・平林純の考える科学

 スカートの長さが32cmよりも長ければ、スカートの内側を見られる心配はありません。 なぜなら、「風が吹くことさえなければ、角度が25度程度の比較的急な階段であったとして、スカートの内側を見ることはできない」ということが数学的に証明されているからです。 たとえば、階段の上に立つミニスカートを履いた女性がいたとしても、そのスカート丈が32cmよりも長ければ、(たとえ、どんなに階段の下に降りてみたとしても)ミニスカートの内部を覗き見ることはできないという代数幾何的な証明がされているのです(参考:ミニスカートの幾何学)。

 しかし、32cm丈のスカートで安全なのは、角度が25度程度の階段までに過ぎません。 もしも、それより急な階段があれば、もっと長いスカートを履いていなければスカートの内側が見えてしまう、ということになります。 それでは、一体どのくらいの長さのスカートであれば「スカートの内側を見られる心配をしなくて済む」のでしょうか?

 実は、もしも35cm以上の丈があるスカートであれば、日本国内においては「スカートの中にある下着を覗かれることはない」のです。 なぜかというと、建築基準法 施行令(第三節 第二十三条)によって、公共の場所においては「階段の一段の高さは18cm以下で幅は26cm以上、そして、階段の高さが3m以上であれば、3m以内ごとに1.2m以上の長さの踊り場を設けなければいけない」と決められているからです。 この建築基準法施行令の規定にしたがうと、日本国内で作ることができる「(公共の場所における)最も急な階段」は35度となります。 そして、前述の「ミニスカート幾何学」を用いると、35度の急階段であったとしても(偶然、階段の角度と同じ数値である)35cm丈の長さのスカートであれば、スカート内部の下着を覗かれてしまうことはない、ということも証明されるのです。 つまり、日本国内の公共の場所においては、35cm以上の丈があるスカートを履いている限り、スカートの中にある下着を覗かれることはない、というわけです。

 足を滑らすと危ない急階段を防ごうという建築基準法施行令の第三節 第二十三条の規定は、滑落の危険を防止するとともに、ミニスカートの安全をも守っているのです。…風が吹かない限りにおいては。

 …今回の話は「風が吹いたりすることがなければ」という話です。 しかし、法律書のページをめくり、その中にある数字を科学的に解き明かしていくと、『建築基準法とミニスカートの幾何学による「35cm丈のミニスカートは絶対安全」という証明をすることができる』なんて、何だか少し面白いとは思いませんか?