雑学界の権威・平林純の考える科学

 「ガリガリ君」は安くて美味しいシャーベットアイスの代表格です。 60円という安さと、美味しいシャキシャキ感で、暑い真夏には品薄がニュースになるほどの大人気アイテムです。 ガリガリ君は「アタリ付き」なので、「アタリ」「ハズレ」にワクワクしながら、ガリガリ君を食べる人も多いかも知れません。 しかし、「なかなかアタリが出てくれない…」という声も聞きます。 あなたも、「一体何本買えばアタリが出るんだろう…」と思ったことがあるのではないでしょうか?

 そこで、今回は「ガリガリ君のアタリの確率」を調べてみることにしました。 つまり、ガリガリ君には「何本に一本の割合でアタリが入っているのか」を調べてみることにしたのです。

 ガリガリ君を製造・販売している赤城乳業株式会社の公式サイトには、「ガリガリ君の当たりの確率」についてこう書いてあります。

Q. ガリガリ君の当たりの確率は?
A. ガリガリ君の当たりの確率は、景表法という法律に則って、公正に調節致しております。
景表法というのは、正式には「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)」といって、誇大広告や過剰な景品提供による商品販売を制限することで「本来の商品販売の質の低下を防ごう」という法律です。 この中で、「アタリが出ればもう一本」といったガリガリ君のような懸賞については、アタリの総額は「懸賞に係る売上予定総額の2%」となっています。 つまり「2%ということは、つまり、50本に1本の割合でアタリが入っている」ということになります。 (製造したガリガリ君が全部売れるとしたら、そして、アタリでもらったガリガリ君がさらに当たるということがないのなら)

 50本に1本ということになると、夏の季節に毎日買い続けても、2ヶ月に1回ようやくアタリが出る、ということになります。 もしも1週間に1本なら、1年間買い続けてようやく1本アタリが出る、という確率です。 …これでは、なかなかアタリはなかなか出そうにはありません。

 しかし、実は、ガリガリ君のアタリは「2%=50本に1本」ではないのです。 ガリガリ君は32本入り箱で卸売りされています。 そして、その32本の内訳は「内容量 113ml × 31本 + 当たり分1本」となっているのです。 …つまり、ガリガリ君のアタリの確率は、本当は「31本に1本=3.2%」、「毎日1本食べ続ければ1月に1回アタリが出る」だったのです。

 となると「えっ?ガリガリ君のアタリの確率は景表法の2%上限規定に違反してた!?」「ガリガリ君のアタリは法律上限の2倍近い高確率だった!?」ということになります。 しかし、…それも何だかおかしい話ですから、何か数字の解釈などが違っているのかもしれません。

 ちなみに、埼玉県深谷市には赤城乳業 工場直売店もあります。 そこでは、ガリガリ君は32本入り段ボールが600円で売られていたりもするのです(時期によって商品メニューは違います)。 つまり、コンビニでは(税抜き)60円のガリガリ君を1本あたり約19円の大激安価格で手に入れることができる時もあるのです。

 ガリガリ君を安くたくさん食べたい人たちは、工場直売店に通い、ガリガリ君「31+1本セット(アタリ分)」箱を手に入れると良いかもしれません。