ドーナツ状の煙を打ち出し・煙の輪を遠くまで飛ばす「空気砲」は、空気流の動きが魅力的な楽しい科学実験です。
昔から行われる実験ですが、日本ではでんじろう先生ネーミングで大ブレイクしました。…今回は、驚くほどの超巨大な「空気砲」を眺めてみることにしましょう。
まず、日本が誇る実験TV番組「ザ!鉄腕!DASH!」のDASH ご当地PR課 〜段ボールの町、埼玉県川口市で巨大空気砲どこまで飛ばせるか!?〜では、直径約5メートルもの段ボール製空気砲を、巨大ダンボール約220枚・重さ約1.6トンの段ボールを使って作り上げ、ドーナツ煙が30m以上も飛んでいく超巨大空気砲を作り上げています。2014年4月13日に放映されたこの超巨大空気砲は、現時点では、日本が誇るべき世界最大の人工空気砲でしょう。
「現時点での世界最大の人工空気砲」と書いたのは、2017年には、もっと大きな人工空気砲が登場する予定があるからです。デンマークのコペンハーゲンに建設される廃棄物処理施設Amager Bakke( Amager Hill, Amager Slope )は、は直径25メートル・高さ5メートルという超巨大なドーナツ状の煙を、常時(といっても時折ですが)空へと打ち出す計画になっているからです。一般的な施設のように排出ガスを煙突から空へ放出するのではなくて、ドーナツ状の白い煙リングを上空へ打ち上げるのです。
…この廃棄物処理施設、3万1千平方メートルの広さで、屋上はあらゆるレベルのスキーヤーが楽しむことができるスキーコースまで設置されているという凄まじいコンセプトの人口建築物です(参考情報)。Amager Bakkeが打ち出す空気砲、一回の煙噴出あたり4分の1トンのCO2が含まれていて、その(排出量に応じて空へ放出されていく)CO2量を目に見えるようにする・数えることができるようにすることで、環境に対する(わたしたちの生活が生み出す)影響を(コペンハーゲンのみならず世界中から)目に見えるようにする…というものです。
そしてもうひとつの「現時点での世界最大の人工空気砲」と書いた理由は、自然が「もっと巨大な空気砲」からドーナツ煙を空へとすでに何度も打ち出しているからです。…たとえば、イタリアのシシリー、エトナ山は火山活動が直径200メートルという信じられないくらい巨大サイズのドーナッツ煙を打ち上げて10分近くも空を漂わせ続けていたりしたことがあります。それ以外でも、こうした現象は(時折)世界のどこかで起きています(参考)。
直径25mから200mまで…常識破りの超ビッグサイズな空気砲たちを眺めれば、いつも常識に捕らわれて・どうしたって狭くなりがちなわたしたちの世界が、少しづつ大きく広がって、そして見えなかったものが目に見えてくるのかもしれません。
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関連記事(宣伝):インタラクティブに体感できる「空気砲シミュレーション」の作り方
明日・明後日(23日・24日)、「作った色々なもの」を展示するお祭りMaker Faire Tokyo 2014が東京ビッグサイトで
開催されます。そこで、「第3ホール19島の7(理科教育研究フォーラム)」という場所で、流体シミュレーションを活用した「インタラクティブ空気砲」を展示しています。
ドーナッツ状の煙を大砲のように発射する「空気砲」は、日本では、でんじろう先生ネーミングで大ヒットした(らしい)実験です。空気の動きの不思議を強く感じることができる楽しい道具です。…けれど、そんな空気砲の中で何が起きているかを、その中でどのように流体が動いているのかは、よくわからなかったりします。…そこで、流体力学シミュレーションを活用した「インタラクティブ空気砲」を作ってみました。
というわけで、明日・明後日(11/23,24)、東京ビッグサイトでお会いできたら幸いです。
駅のホームに降りれば、みなスマホを眺めています。あるいは、ホームに入ってきた電車に乗り込むと、多くの人が、電車の中でもスマホを片手に、Facebookやtwitterなどを眺めています。誰もが、その瞬間のことを呟いてみたり、その瞬間に更新された地球上のことを、眺めていたりします。…そこで、今日は「その瞬間の地球を描く」tweetをするテクニックを書いてみることにします。
数式処理・プログラミング環境”Mathematica”を開発しているWolframが、Wolfram言語(Mathematicaで使われるプログラミング言語) で書かれた130文字程度の関数を書くと(twetterで@wolframtap 宛にメンションすると)、関数実行結果をリプライしてくれるサービス
Wolfram Tweet-a-Programを行っています。
そこで、たとえば1日が終わる頃、こんな風に呟いてみます。
@wolframtap GeoGraphics[{GeoStyling[Opacity[0.5]], NightHemisphere[]}, GeoBackground -> GeoStyling["ReliefMap"], GeoCenter -> {0, 135}]
…すると、@wolframtapは、あなたに向けてこんな画像をリプライしてきます。それは、地球上の、太陽に照らされた領域と、夜の闇に覆われた地域を描いた地球の画像です。
あるいは、こんな風に呟けば、太陽に照らされた球形の地球を描いた(下左図のような)画像が返ってきます。
@wolframtap SphericalPlot3D[ 1, u, v, PlotStyle -> Texture[ GeoGraphics[ NightHemisphere[]]], TextureCoordinateFunction -> ({#5, -#4} &)]
そしてまた、次のようなtweetをしたならば、地球上の起伏と、太陽が照らす昼とまだ星を眺める夜の地球を映し出す(下右図のような)画像が、@wolframtapからリプライされてきます。
@wolframtap GeoGraphics[{White,DayHemisphere[]},GeoBackground->GeoStyling["ReliefMap"],GeoCenter->{0,135},GeoProjection->”LambertAzimuthal”]
1億5千万キロメートルの彼方から、約8分もの時間を掛けて、太陽で生み出された光が地球や日本を照らします。24時間ごとに、昼と夜は地球の上を一周し、地球の公転面に対する自転軸の傾きが、南極や北極近くの白夜を生み出します。
あなたが(上に書いたようなこれらのコマンドを)tweetterで呟けば、その瞬間の「太陽光に照らされた地球」のさまが切り取り・記録されます。
そんなさま…あなたが生きる瞬間の地球を、昼も夜も、朝日が照らす街並みも夕暮れから夜へと変わる夕闇を、今この瞬間にtweetしてみるのはいかがでしょうか?