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 「教室の黒板を夕日が照らす」のは「マンガの中だけの話」です!?で、「窓は南側・教壇は西側になる」ように(特定用途の教室でない)普通教室は作られている…という「教室・窓の向きの決まり」を書きました。 「普通教室」という断り書き(ことわりがき)をつけた理由は、特定用途の教室は普通教室とは違う向きになるように作られることが多いからです。

 普通教室とは違う向きに作られる「特定用途の教室」は、たとえば美術室です。 美術室は「北側に(も)窓が面するように作られ、(美術室の)教壇は部屋の東側に位置するように作られる」ことが多いのです。 窓の向きも・教壇(黒板や机)の向きが、(窓は南側・教壇や黒板は西側になる)普通教室と(北側に窓があり、教壇や黒板は東側というよう)美術室では逆向きになるのです。

 なぜかというと、美術教室の南側に窓があり、その窓から太陽の光が強く差し込んでしまうようなことがあったとしたら、絵を描いている最中に(窓から差し込む)光が刻々と変わってしまい、絵を描くことが難しくなってしまうからです。 だから、美術室は、(刻々角度を変えたりすることがない)落ち着いた光の中で作業ができるよう、直接太陽の光が差し込むことのない「北側の窓」から柔らかな光を取り入れるように作られているのです。 そして、「北側の窓から差し込む光が、生徒が文字を書く右腕で遮られ(日本人の約9割が右利きなので)て、生徒の手元が暗くなることがないように、教壇が”東”側に作られる(ことが多い)」というわけです。

 美術教室の教壇・黒板は(教室の)東側に設置される…ということは、美術室の黒板は夕日の光に照らさせることが多いような配置で作られることが多いのです。 「夕日が(今日の”日直”の名前が書かれた)教室の黒板を照らす」というマンガでよく描かれそうな風景は現実には(あまり)存在しない風景です。 しかし、「美術室の黒板」は(美術室の教室が南北両側に窓があれば)夕焼けの太陽に照らされるような配置で作られます。

 たぶん、あなたが通った「学校の美術室」は校舎の最も西側に(あるいは北側に面するように)作られていて、そして教壇は(普通教室とは逆向きの)東の方角に作られていたのではないでしょうか。 …それも、太陽の方向と右利きの人が多いという理由から必然で作られる「配置」だったのです。